ラボグロウンダイヤモンドとは

Laboratory Grown Diamonds

ラボグロウンダイヤモンドは、採掘された天然ダイヤモンドと同じ条件で作られるため、天然ダイヤモンドと完全に同じ構造を持ちます。

天然ダイヤモンドが形成されるまでには、10億年以上の圧力と高温が必要です。

一方、ラボグロウンダイヤモンドは高度な科学技術の適用によりこのプロセスを大幅に効率化し、ラボで同じ地質環境を再現させることによって誕生しました。

ダイヤモンドと同一の構造を持ち、プロの鑑定士であっても識別できず、専用の機械の助けを借りて初めて、天然ダイヤモンドとの違いを特定することができます。

新しい選択肢、ラボグロウンダイヤモンド

近ごろ、「サスティナブル」「SDGs」といったワードを目にする機会が増えています。

サスティナブルとは、「持続可能な」「ずっと続けていける」という意味。サスティナブル=持続可能な社会を目指し、世界中の人々が共通の目標として取り組むこの動きは、近年ジュエリー業界でも新たなスタンダードとなりつつあります。
その取り組みのひとつに、「エシカルジュエリー」というものがあります。エシカルジュエリーとは、エシカル(Ethical、倫理的)な価値観を基に、環境問題の観点そして関わる全ての人々に至るまで、何も誰も虐げられることなくサスティナブルに作られたジュエリーのことです。

ここではエシカルジュエリーの中でも、ダイヤモンドの新しい選択肢のひとつとして人気が高まりつつある「ラボグロウンダイヤモンド」についてお伝えいたします。

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドについて

ラボグロウンダイヤモンドとは、地下から採掘された天然ダイヤモンドと同じ成分から、ラボラトリー(地上)で生産されたダイヤモンドのことです。
工業用途に適した人工ダイヤモンドは1950年代に初めて製造され、2010年代半ばになってようやく、ラボで製造された無色のダイヤモンドが商業規模で市場に参入しました。 ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同じ成分から成り、よって同じ特徴を持っているため、肉眼での識別はほぼ不可能です。ただし、厳密には「全く同じ」ということではありません。

天然ダイヤモンドは、不純物のない炭素であるとされていますが、実際のところは窒素、色に影響を与えるホウ素といった他の物質も含んでいます。また、何千年もの歳月をかけて生成される天然ダイヤモンドは、その過程でごくごく小さな異物を含むことも少なくありません。

一方、完全にコントロールされた環境で作られるラボグロウンダイヤモンドは、配合される成分を自在に調整することができます。そのため、不純物を全く含まない、純度100%なクリアな結晶を、且つ安定して生成することが可能となります。 ラボグロウンダイヤモンドに関して、30年以上にわたり研究を続けているGIA(米国宝石学会)名誉研究員James Shigley博士によると、現在は2通りの方法によってラボグロウンダイヤモンドは製造されています。

生成方法二種

◆HPHT(高温高圧法)
古くから研究され、現在ラボグロウンダイヤモンドの生成方法として広く普及しているのがHPHT(高温高圧法)です。
高温高圧法(High Pressure and High Temperature)は、天然ダイヤモンドが地球内部で生成される環境を高圧プレスを使って再現、合成する方法です。かつてはメレダイヤ(小粒石)を作るのに使われていた技術ですが、技術の改良とともに大粒のものも生成されるようになりました。

◆CVD(化学気相蒸着法)
次いで開発されたCVD(Chemical Vapor Deposition)は、大粒のダイヤモンドを生成する方法です。
1300℃の高温が必要となりますが、HPHTのように高い圧力は要りません。炭素を含んだメタンガスにマイクロ波のエネルギーを与えることにより、少しずつダイヤモンドを生成していきます。不純物を細かく制御できるので、より純度の高いダイヤモンドの生成が可能です。

ラボグロウンダイヤモンドも天然ダイヤモンドと同じように4C評価が可能

ダイヤモンドの価値を決める重要な評価である「4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)」。

ラボグロウンダイヤモンドも、天然のものと同様にこの4Cによって品質が評価されます。
GIA(Gemological Institute of America=米国宝石学会)から発行されるダイヤモンドの鑑定書により、その価値がひと目で分かるようになっています。全てのラボグロウンダイヤモンドはGIA鑑別書番号により、その価値がより明確に識別でき、充分に情報を得てから購入することができます。

天然採掘より比較的エコ、人権問題もない

天然のダイヤモンドは、その採掘における困難さから実は昔からさまざまな問題を抱えています。
原石を採掘するための低賃金・無償労働、児童労働などです。また、環境問題における天然ダイヤモンドの採掘は非常に問題視されています。1カラットの原石を採掘するために、その掘る土の量は何万トンにも及び、採掘時に排出される二酸化炭素などで環境破壊を助長していると考えられています。 その点、ラボで作られるダイヤモンドには劣悪な労働環境も、環境問題にも無縁です。

「地球にやさしいダイヤモンド」。わたしたちの選択で、救われる環境、生命があります。

ラボグロウンダイヤモンドという選択肢

ラボグロウンダイヤモンドの価格は天然ダイヤモンドの約30~50%。
天然のものと同じ美しい輝きを、お手頃に購入できることはとても魅力です。新世代のダイヤモンド、ぜひその素晴らしさを感じてみてください。

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